農業を始めてみて見えた世界
もともと私自身は農家家系ではなく、農業とは無縁だったのですが、奥さんの実家を継ぐ形になりそれがきっかけでデビューしました。農業を新しく始めるには、どういう規模で、どの地域でとか考えるところから始めると思うのですが、そういった背景もあり、考える間もなくスタート。最初は右も左も分からない状態で、やりたくて始める人とは少しモチベーションも違ったかなと思います。中でも、自分の業界内での立ち位置が分からなかったというのが大変で、農家が書いているブログを読んだりして必死に勉強していました。
稲作の可能性を模索する
そのような中で、少しずつですが全国規模で米作りや農業を学んでいくようになって自分の何となくの立ち位置が分かるようになってきました。その頃には知り合いも増えてきて、農業のネットワークもできてきました。トータルで5年くらいはかかったので、大変でした。私が就農した当時は、何も考えずに先代がやってきたことをやれば上手くいくという時代でもありましたが、私としてはその発想に納得できなくて何か新しいやり方、よりよい方法がないかと常に模索していましたね。
米どころ「新潟」だからこその苦悩
まずは教科書通りにやってみようと思い、様々な情報を参考にしながら丁寧に米作りをやるところから始めました。それを続けていく中で、新潟県がとても恵まれていることに気づきました。気候や土地、水が良いので、変な話普通に作っても美味しい米ができるのではと。一方で、この環境の良さに胡坐をかいていて、新潟の米作りは技術の革新が進まなかったのではないかとも思うようになりました。お客さんに出している米はもちろんこだわって作っていますが、ただ丁寧に作るだけでなく他にもやるべきことがあるのではと思ったんです。農業者がどんどん減っていく中で農地を担うことが必要な今、規模の拡大は避けることができませんが、規模の拡大が進むとどうしても品質が低下してしまいます。そのような状況においていかに高い品質を維持するか、そのために米作りをどのように合理化してスマート化できるのかに注力をしようと決めて今も色々なことに挑戦しています。
新発田コントラクターについて
そんな挑戦の一環として、新発田市豊浦地区の若手の畜産農家2件、耕種農家3件で協力し、2年前からスタートしたのが新発田コントラクターです。畜産農家も耕種農家も今後さらに厳しい経営を強いられることが予想される中で、それぞれの問題点を共有し、耕畜連携によって解決策を見出すこと、また、現実的に信頼し合える地域の仲間とともに課題を解決し、永続的に地域農業を支えていくことが新発田コントラクターの目的です。長年米作りだけに専念してきた新潟県で耕畜連携の取り組みを行うというところも是非注目してみてほしい点です。私自身は稲作というフィールドで担い手として出来上がっている部分がありますが、農業はまだまだ奥深く、このポジションを最大限に生かしながら何か新しいこともやっていきたいと思っています。
姉崎さんのつくる「ミルキークイーン」
新潟県新発田市は、昼夜の激しい寒暖差と、豪雪地帯ならではの豊富な雪解け水があり、米作りに適した理想的な土地です。新潟のお米といえば南魚沼をよく耳にするかと思いますが、新発田も新潟県有数の米どころです。
お米を作るために最適な条件が揃った新発田市で姉崎さんが作るミルキークイーンは、低アミロース米として人気のお米です。もっちりとした食感が癖になりますよ。
<インタビュアーより一言>
お米大好きな私にとって姉崎さんのミルキークイーンへのこだわり話、おいしさについてのお話を聞いているだけで、よだれが出そうでした(笑)全く農家とは無縁なところから実践を重ねてここまで積み上げられてこられた経験と知識がとても深く、農業は奥深いものなのだなと改めて感じました。新発田コントラクターの取組みについてお話されている姉崎さんのご様子がとても生き生きとされていて、こちらまで元気と笑顔をもらいました!是非近々、ミルキークイーンと姉崎さんに会いに伺いたいです!(笑)