「農のかけ算」農×婚活

2024.05.24

以前に長野県の農業大学校生の皆さんと長野県の4Hクラブで意見交換をした際に「農家で結婚ができますか?」という質問を受けたことがある。正直なところ、なんでそんなことを疑問に思うのかよくわからなかった。農家はモテないというようなイメージがあるのだろうか。もしくは稼ぎが悪いから家族を養えないと思っているのだろうか。

確かに農業のイメージは昭和世代を中心に決してよいものではない。農家に娘が嫁ぐとなると、古い世代の親は子供に苦労させたくないという思いからか、反対する親もいたというのはよく耳にする。では家でゴロゴロさせたいのか?きらびやかなブランド物にでも囲まれてプールサイドでトロピカルフルーツでも飲ませたいのかと思ってしまう。その価値観自体をどうこう言う気はないが、そんな風に育ててきたのかな?と疑問に思ってしまう。 「農家が結婚できるのか」という質問に関しては「君次第でしょ。」と私は軽く返した。見目形や性格の問題もあるだろうが、結局は魅力があるかどうかであるし、稼げるかも本人の努力次第なのは間違いない。

ちょっと話はずれるが、努力次第という言葉を使うと一生懸命働けば稼げるという受け取り方をする方も多いが、そういうことではない。頑張る方向を間違ってはいけない。長く働いたことや人より苦労することが頑張ったこととする昭和的、部活的な考えはビジネス社会では通用しない。私はサラリーマンの時も独立してからも人一倍勉強している自負はあるが、働くということに関しては以下に楽をして、最大のパフォーマンスを出すかを常に考えている。個人的には当然の考えであると思っているし、これが自分や家族にとっても価値的で、会社にとっても健全で社会的信頼を得やすくなるはずだ。 それなのにいまだ社会では根性論を訴えてくる会社も少なくない。私はそれを生産性や効率改善の放棄だと考えており、利益は上がっていても会社としては破綻していると思っている。農業の現場が甘いものではないのは十二分にわかっている。ただだからこそ、サスティナブルに営農していくためには改革は必要なのだ。

話を戻すが、先日「日本合コン協会」の会長とお話しさせてもらった。そんな団体があるのかと思われるだろうが、たまたま音楽をやっていた時代の後輩が立ち上げ、知り合いだったので話すことができただけだ。様々な合コンや婚活パーティーに携わってきた彼女の話は農家の結婚についてかなり価値のある内容だった。 ここからは婚活を合コンと同義とし、敬意を表して合コンという言葉に統一して使うが、彼女によると「合コン」は「人生の縮図」だという。合コンというフィールドに立った以上そこは立場がどうであれ公平な場であり、相手との闘いであると同時に自分との闘いであるとのことだ。例えば、合コンや婚活で相手があまり好みでなかったとしたときに手を抜く人も多いだろうが、そういう人は人生においても手を抜いてしまいがちだそうだ。優秀な人やモテる人というのはたとえ自分にとっての成果につながらない場であってもその場を以下に盛り上げ、気持ちの良い時間にするか、自分にとって価値ある時間にするためにコミュニケーションの訓練の場にするなど、その場を無駄にしないのだ。

ここで会長から紹介されたヒントとなる言葉を紹介する。「わらしべ合コン」だ。

男女ともにかもしれないが、とかく合コンなどの出会いの場では一発で最適な異性と出会いたがるが、焦りは禁物だという。基本的に一発で決めに行くのはおすすめできない。というのも一度の数人との出会いの中で自分に最適なパートナーがいる可能性は普通に考えて低いからだ。ただ、その中で話や趣味が合う人や、服装、地元が近いなどの人は何かしらいるだろう。その初回の合コンではまずその一人と出会い、今度はその相手が集める相手と再度合コンをするのだ。それを繰り返していくうちに自身のコミュニケーション能力も上がり、話すことに慣れ、自分に合った相手により近づいていくという寸法だ。わらしべ合コンとはよく言ったものだが、確かに理にかなっている。

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農家のパートナー探しで考えてみると、そもそも一般社会の女性には農業というイメージはさほど伝わっていない。田舎暮らしを求めて移住という考え方も浸透してきてはいるので多少はマシになってきてはいるものの、特に都市部の女性にとっては農家のイメージそのものがないのだ。絶対的な若い農家の数が少ないこともあり、出会う機会も少なくイメージの持ちようがないというのが真実なのかもしれない。そういった中で農業系の婚活にも携わる会長が語る農家の魅力、結婚相手としてのおすすめ理由4選を紹介しよう。多分にツッコミどころはあるが一度素直に受け止めてみてほしい。

①浮気をしない

いやいやそんなことはないだろうと言いたいところだが、理由としては一般的な会社勤めの社会人よりは絶対数として異性に出会う数が少ないからだ。これは確かにそうだろう。ある意味、だからこそ出会いもなく結婚相手もいないのだから。

②新鮮な作物が無料で手に入る

これは農家あるあるだろう。農家は横のつながりもあり、様々な農作物がはいて捨てるほどもあり、実際捨てられている。都市部では新鮮な野菜は高価で手に入りづらく、近隣の関係が希薄な中ではおすそわけも皆無だ。そんな中で私の実体験としても近隣から趣味で作っているような季節野菜が回ってくる。特に子供がいれば喜んで持ってきてくれるのは農家や田舎暮らしの魅力ではあるだろう。

③農家は健康的で男らしい

体が筋肉質でスタイル抜群の農家がどれほどいるかはわからないが、体を動かしていて、外で仕事している農家が多いのでこれについても大きく外れてはいないだろう。特に百姓ではないが、農業という仕事をしているとなんでも自分でやるので車に乗ったり、機械作業をしたりとなんでも器用にこなすという意味では男としても父親としても頼りがいがあるのは間違いない。

④家庭に協力的

農家の形態は法人や雇用など様々あるが、基本的には個人事業が一般的。となるとハイかオフのシーズンはあるにせよ、時間のコントロールはしやすい。そういった意味で育児や家族の休みなども比較的取りやすいだろう。育児でいうならば自然や畑で子育てできる環境というのは都会暮らしのママがお金を払ってまでやっていることなのでそういった価値は十分にあるだろう。

こういった女性側の意見は農家にとって励みになり、勇気になる。臆しがちで自分に自信のない農家の皆さんは自信をもってその魅力を発揮してもらいたい。

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では現状、未婚率はどのようになっているか。一般的な40歳以上の未婚率は約25%程度となっており、その中で農家の未婚率は30%を超えている。農家の約3人に1人が結婚していないのだ。様々な理由はあるにせよ、これは寂しい統計である。その要因としては農家として出会いが少ないというのもあるのだが、それは当たり前の話で都市部の女性の人口はいまだ均衡を保ち続けているが、日本全体で人口が減り続けている中で地方農村から女性は離れ続けており、そうなってくると地域で出会いを求めて動いてもただただ取り合いになるのは目に見えているし、そんな中で農家が勝ち取ることはなかなか難しいのだ。 そういった現状の中でパートナーを勝ち取るための合コン協会の会長からのアドバイスで今回は締めくくりたい。

彼女が言うには、出会いのタイミングもそうだが、やはり農家は会話力が足りてないということだ。これには私も強く同意する。普段の農業を中心とした生活の中で家族経営の農家を中心に、圧倒的に人と話す機会が少ない。一般社会の営業職や会社という組織の中では不得手にかかわらずコミュニケーションは必須となるが、農家になるとそうではない。そういった中ではどうしてもコミュニケーションスキルが磨かれず、特に異性を意識すればなおさらだろう。

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これを解決するには、経験を積むしかない。それが苦手だと言われようが結婚を意識するのであれば乗り越えざるえないのだ。これについては結婚だけの問題ではなく、なにかを乗り越えるためには動くしかないのだ。

私は農家と話す機会が多いため、結婚観についても話すことがあるが、中には結婚する気はない、一人のほうが良いなどの声も上がる。それが心の底からの本音であるならば何も言うことはないが、決してそうではないと感じている。であるならば、一番若い今この瞬間に動き出すことが最善に決まっている。 40歳オーバーの既婚率は約8%。

これを高いハードルと捉えるか、チャンスはあると捉えるかは自分次第だが、結果は今この瞬間からの行動からでしか出ることはない。